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[Coldplay] 3分前に弾いたものを覚えていないジョニー (Sirius Town Hall Q&A ファンからの質問 ②)

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いや覚えてないよね普通?あれ?w
というわけで、ファンからの質問、続きです。①はこちら

ツアー中のレコーディング、クリスとガイの喧嘩(昔のね)、ブライアン・イーノの貢献、人を動かすサウンドの作り方、クリスがジョニーに恋した理由、アルバムの意味、ルールを作っては破るクリス、ボクサーかブリーフか、等々。


アルバムに入れる曲を決める時、ライヴでどう聞こえるかということは考える?


ジョニー : 多くの曲がグラストンベリーで演奏するのを思い浮かべながら書かれているんだ。ライヴでどう聞こえるかをイメージしながら選ぶことがもちろん多いね。ライヴで演奏することが何よりも好きなんだ。

ウィル : 今年の夏は本当に役に立ったよ。たくさんの新曲をまだ完成してないうちにやったんだ。たとえばドイツで、最後が長すぎると思ったら、みんなあたりを見回してた。たぶんみんな心の中で同じ事を考えてたと思うんだけど、スタジオに行ったらすぐ、エンディングを切らなきゃって話になったよ。 だからすごく有益な基準になった。

1stアルバムもそうやって書いたんだ。書いてるうちにツアーに出て、新曲を試して、リアクションを見て、伝統的には音楽ってそうやって書かれてきたんだよね。50~60年代は、曲を演奏して、どの曲が人気があるか見て、アルバムを作った。

だからそれぞれのギグから学ぼうとした。まだ完成してない曲について。すごく貴重な経験だったよ。完成させる前にロードテストをするっていうね。

アルバムをまず作って、そのあと6ヶ月間ツアーをやったとしたら、ライヴバージョンの方がレコーディングバージョンよりずっとよくなってしまうってことがよくあって、もっと前にギグをやればよかったって思うんだけど、曲がどう聞こえるのか調べられるのはよかったよ。

ライヴで再現できない曲はアルバムに入れないってどこかのインタビューで読んだんだけど。

クリス : たぶん、あー、僕が嘘をついたことの一つじゃないかな・・・Up With The Birdsとかライヴでやれるとは思えないし・・・

ウィル : AROBTTHのWhisperもね。

クリス : 一回試したよね。

ウィル : 一回やったけど、サウンドチェックでクリスとガイが本気で喧嘩し始めちゃってさ。それは絶対ライヴでやらない曲だね。

クリス : やらなかったんだっけ?

ガイ : やってねーよ。

クリス : そっか。

ウィル : 大げんかの後でね。

(この喧嘩のことはRoadieの本に載ってましたな。唯一ちゃんと読んだ部分です。笑)

クリス : 喧嘩したっけ?覚えてないな。待ってろよ!笑
すばらしいポピュラーミュージックっていうのは、すばらしいだけじゃなくて、12歳でもギターで演奏できるってことがすごいんだ。クレイジーだよ。弾くのは簡単だけど、書くのは不可能。僕たちは三曲ぐらいしか書けてないかな。

特定の曲から影響を受けたことはある?

クリス : X&Yの頃はあまり自信がなくて、この曲はこう、この曲はこうって感じだったけど、今はいろんなところから影響を受けてるよ。

ガイ : 始めた頃は、みんなジェフ・バックリーの『Grace』に影響をうけてたね。

ウィル : Shiverとか特に。

ブライアン・イーノについて

ジョニー : VLVをやる前に、誰にプロデューサーをやってもらったらいいか、相談したんだ。

クリス : ランチだったっけ?

ジョニー : 彼は僕たちのヒーローだったから、何をすればいいか、だれと働けばいいか、ただ会って彼の意見を聞きたかっただけなんだ。ありがたいことに、僕にプロデュースさせるべきだって言ってくれたよ。

クリス : 誰がおすすめ?ってきいたら、Me! だって。

今の彼はガンダルフとかダンブルドアって感じの存在なんだ。ボスなんだけど、いつもいるわけじゃなくて、でも存在はいつもそこにあって、彼がいる時はみんな耳を傾ける。それがどんなにばかげたことに聞こえても、一週間後には彼が何を言おうとしていたかに気づくんだ。

たとえばUp With The Birds。彼が来て聞いたのが7月だったかな? Oh no no no... って言って、ただ首をふるだけだった。僕たちは、どうしよう、あと二週間しかないのに・・って感じで。

そして、「スピードがいる」って言うんだ。すごくゆっくりな曲だったんだよ。でもやっていくうちにわかっていった。

ウィル : このアルバムでは彼は所謂プロデューサーではなかったんだよ。

クリス : それよりもバンドメンバーだったよね。

ウィル : プロセスのはじめの方で、僕たちと一緒に書いて、バンドに参加してくれたんだ。キーボードを弾いたりしてた。

彼の情熱の一つは歌うことで、みんなで一緒に歌わせること。VLVの前は僕らがやって来なかったことだから、みんなで一緒に歌う喜びをを教えてくれたことは、彼のすばらしい貢献の一つだね。

VLVの時はバルセロナに行って、グループボーカルを一日中録音したりした。色んな教会でね。このアルバムでは、ブライアンがくるたびに、ヴォーカルウォームアップやエクセサイズでスタートしてたよ。ただ古いゴスペルミュージックとかを歌うんだ。グループの一員として、歌ってるとすばらしい気持ちになるんだよ。

彼は失敗を恐れないように教えてくれた。実験をこわがらないこと。結局バカみたいなもので終わるかもしれないけど、新しいものを作り出すためには、バカみたいに聞こえたり見えたりするのを恐れちゃいけないってこと。

僕たちイングランド人だから、そういうのに慣れてなくて、イングランド人は多くの時間をお互いいい印象を与えようとして過ごすからさ。ブライアンは何でも試させてくれたんだ。

クリス : 彼は、あれをやった時は~なんて一言も言わなかった。すごく成功しているのにとても謙虚なんだ。この人の生徒にならなきゃって思ったよ。有名なバンドだってことは忘れて、この人から学ばなきゃと。

人の気持ちを動かすようなサウンドをどうやって作っているんですか?

クリス : 素敵な質問だね。すごいサウンドはジョニーからくる。憂欝なものを、輝かしいものに変えてくれるんだ。

僕がはじめて会った時に音楽的に彼に恋をしてしまったのは、僕がいつもと同じことをやっていると、それを彼が持ち上げて(高めて)くれたからなんだ。そしてそれを続けてくれてる。だからジョニーに聞いて。

そのようなサウンドを作る時、座って考えて話し合って作るのか、それとも偶然起こるのかな~って

ガイ : スタジオにいて、誰かが何かを弾いて、みんなが「すばらしい!」って言う。聴いてすぐに感情的に反応する。それがスタジオで一緒に演奏する時の反応のしかた。それぞれが思いついたアイディアの断片に、すぐに反応する。そのような時間を集めていくんだ。

クリス : それにサウンドをね。ジョニーはつまらないものを沢山弾くから、その中から探しださなきゃいけないんだ。

「戻って戻って戻って」って言うんだけど、「覚えてない」って言うから、たくさん録音するんだよ。三分前輝いてたものに戻らなきゃいけないから。でしょ?何か言えよ。

ジョニー : 覚えてないな(笑)

ウィル : テープ巻き戻してー。ジョニーが三分前に何か言ったんだけど、それが素晴らしかったんだ(笑)

ジョニー : ガイが言ったように、僕たちはよく一緒に弾いて弾いて弾きまくる。ブライアンも同じ事を何度も繰り返させてたんだよ。何かを感じる瞬間を得るまで。何か作用が起こるまで。素晴らしいパーツができるまで。

アルバムの中の曲が互いに繋がっている(歌詞でリンクされているETIAW/Paradiseなど)ことの重要性について

クリス : ブルース・スプリングスティーンの『The Darkness On the Edge of Town』のメイキングを描いた『The Promise』って映画で、彼のマネージャー/プロデューサーのジョン・ランドーが言うんだけど、「なぁブルース、僕が見る限り、アルバムはポピュラーミュージックの究極の形だよ」(クリスの声真似w)って。こんな声じゃないけど。それに賛成なんだ。

アルバムを組み立てるのが好きなんだ。もうみんな買わなくなったとしても、iPodにバラバラに入れちゃうとしても。交響曲のような感じかな。45分間の音楽の旅。

クラシックミュージックはいつも行ったり来たりするテーマがある。だからモチーフを置いて、それが戻ってくるようなものを試したんだ。思い上がってるようだけど、でも本当なんだ。

コンセプトアルバムって言葉は恥ずかしいから、自分たちのアルバムがそうだと認めたことはないんだ。それに、いったん世の中に曲が出てしまったらもう、どんな曲かなんて言うことはできない。

でも、初めから終わりまでいい旅ができるように連続性をもたせようとしたんだ。一つの映画のように。資金難で一億ドルも出せなかったけど・・・

じゃあ一曲や二曲だけを聞く人は、何か大事なものを見逃すことになるということ?

クリス : いやいや、そうじゃないよ。
大変な仕事だよ(笑) アルバムを作りながら、シングルも出すっていうね。

映画のスコアを書いたり、映画のために曲を書く予定は?

クリス : 去年やったけど、却下されたんだ。スパイダーマン2かなんかも頼まれたけど、それもなくなったね。何度か却下されてるんだよ。いつかやれたら素晴らしいね。

僕たちのヒーローの一人はジョン・ウィリアムズで・・・

ウィル : 一緒に働いているジョン・ホプキンスは、すばらしいキーボードプレイヤーで、彼はフィルムスコアをたくさん書いてるんだ。おもしろい分野だよね。

スタジオに貼ってあったルールの中に、ルール6 “Always keep mystery not many interviews” なんてものがあったけど、このアルバムへ影響を与えたことで何か私達が知らないことを教えて。ミステリアスなことを。

クリス : ラジオの生放送でルール6を破ることになっちゃうね!
たくさんルールを書いてて、ほとんどは僕が書くんだけど、ナンセンスなものばかりだから次の日には却下されるんだ。フォトシュートかなんかで、誰かがそれをズームインしちゃって、たまたまそれがその日のルールだったんだよ。今はそんなルールを書いたことを悔やんでるよ。全然覚えてないんだけど。ルールを作るのも破るのも大得意なんだ。

ミステリアスなことね・・・
ボクサーを履いてるのは三人で、あと一人はブリーフ。