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[Coldplay] ガイ以外は全員取替え可能!? (Sirius Town Hall Q&A ファンからの質問 ①)

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2011-11-09 Sirius Town Hall Q & A ファンからの質問に答える四人のインタビューです。
MXのコアとなる曲、Beehive、トム・ウェイツにボブ・ディラン、この四人であることの意味、アートワークとテーマ、等々。


Mylo Xylotoのコアとなる曲は?

ジョニー : Charlie Brownと、Paradise。CBは一番最初に書けた曲だったよね?そしてParadiseがきて、アルバム全体が進むべき方向を示してくれた。

クリス : CBはロスでブルース・スプリングスティーンのショーを見た後に書いたんだ。エネルギーがすごくて、そしてブルースが27歳ではなく60歳であることを知って、これはエネルギーのある曲が必要だと思って。そうやってできたんだ。基盤のようなもので、その二つは絶対入る。その周りになにがフィットするか見ていったんだ。

ウィル : 1stアルバムではYellowだったね。それとShiver。2ndではIn My Place。早い時期に書かれて、どういう道を行くべきか示してくれたんだ。あとひとつはClocksで、それは最後の方で書かれたもので、その曲が終わらせるのを許してくれた。

一曲がドアを開いてくれて、一曲が閉めてくれる。許してくれる。このアルバムではUp In Flamesで、絵を完成させたように感じた、これで終わらせることができると。

クリス : UIFはバンドのメンバーが全く聞いたことがない状態でレコーディングしたんだ。変なことだよね。その時声が出なかったんだ。でも曲は書かれていた。僕の部分はね。

サウンドチェックでなんとか手話を使って、ドラムのパートを弾いてもらうように頼んで、僕がコードを弾いてね。それを録音してもらって、ベースも同じ感じで。だから、レコーディングが終わるまでは、誰も聞いたことがないし、一緒に演奏したこともなかったんだ。

ウィル : 3つの大陸でレコーディングしたんだよね。日本と・・・

クリス : アジアとヨーロッパとアメリカだね。

ウィル : 3大陸!

クリス : 曲を聞いてもらえば分かると思うよ。

インタビュアー : 次は5大陸でやらないと。

ウィル : わかってるよ。怠けちゃったんだ。

クリス : 大西洋世界のスタジオは予約でいっぱいだったんだ。


使われなくなった教会で録音したらしいけど、インスパイアされて選んだのか

ジョニー : だいぶ前に使われなくなってたんだ。掃除をかなりがんばらなきゃいけなかったよ。

クリス : ネズミに占拠されてたからね。ウィルのドラムは洗礼が行われていた場所にセットされてるんだ。

ウィル : ジャグジーでひと泳ぎ出来るよ。

Bakeryと道をはさんだところにあって、本物の教会じゃなくて、チャーチホールなんだ。地元の教会の付属のチャーチホールだったんだけど、放置されてて、荒れ放題だった。それで買えるかどうか尋ねたんだ。

可能性に満ちていて、天窓のある天井の高い美しい部屋があって、世界中にたくさんの素敵なスタジオがあるけど、自然の光を取り入れられる場所は少ないよね。僕たちは働く時に自然の光がほしかったんだ。鉱山みたいな場所にいるような感じがないように。

見つけた時はぼろぼろだったけど、セットアップをしたらライヴが演奏できるような完璧なスペースがあって、それって僕たちがやりたかったことなんだ。だって、成功すればするほど、いいスタジオ機材をもって、一緒にライヴで演奏することを忘れそうになっちゃうけど、このアルバムでは僕たちは本当にそれがやりたかったんだ。そこでやらせてもらったんだ。

ガイ : 他の理由は、Bakeryは初めてのスタジオで、作り上げるのに時間をかけて、すべてがうまく働くようになったけど、騒音をたてると、近所の人達が、電話で不満を言ってきたり、ドアをノックしてきたり、怒りの手紙をおいていったりしたから・・・

クリス : 僕たちのことが嫌いな批評家みたいだった。まだ作り上げてもいないのに、レビューをしてたんだ。彼女、前のアルバムは好きみたいだったよね。あの頃は文句言って来なかったのに。


申し訳ないけど、Coldplayを最初に聞いた時、あまり好きじゃなかったんです。

クリス : 大丈夫だよ。どこかにそれを書いた?

でもずっと聞いてるうちに、心に響いてきた。The Scientistを聞いた時は泣いちゃって。 (ここの質問結局なんだったんだろう?書いてなかった・・・)

クリス : アルバムを作るたびに、新しい人達がたくさん好きになってくれて、たくさんの人が嫌いだと言う。奇妙にぐるぐる回っている中にいる感じなんだ。僕たちが好きな人だって、お気に入りの曲があるしね。

ブライアン・イーノに、自分たちが興奮すると感じるものを追いかけていくようにと言われた。誠実さをなくしてしまったら、すべての人を失ってしまう。ネガティヴな部分を受け入れられるようになったんだ。だから、みんなの要求に応えようとは思わないけど、自分たちのことを信じることにしている。

考えを変えてくれてありがとう。

ウィル : (自分たちもそんな経験をしたことがあるか聞かれて)トム・ウェイツ。

初めに聞いた時は全然違う世界にいたから分からなかったんだけど、Parachutesを録音する前かな?でも今や、今までで一番お気に入りのアーティストになった。

クリス : 有名なバンドや俳優って、神話みたいなのがあって、人々は自分は彼らのことを知ってると思い込んでるよね。例えば、ボブ・ディランって、「あの歌えない人でしょ?」とか。それは僕が信じこまされていたことなんだけど。

ガイ : 「リンゴはひどいドラマーだ」とかね。

クリス : そうそう。ある時ボブ・ディランを聞いてたら、「待てよ、すばらしいじゃないか」って思って。僕たちは憂鬱なバンドだと思われてるんだろうね。僕たちのキャッチフレーズはさ。

僕にとってはボブ・ディランで、今では最もすばらしいアーティストの一人だと思ってるよ。ボブ・ディランなしの人生なんて考えられないよ。僕にそう言ったやつにすごく腹が立ってるんだ。2歳頃遊び場にいた子なんだけどさ。笑


若い頃友達同士でバンドを結成したことは、今作っている音楽に影響している?

ガイ : 僕たちにとって、今も一緒にいるという事実はとても重要なことなんだ。バンドを始める前はただの友達として一年間ぐらい過ごしていたんだ。そして「ドラマーが必要」という広告を出して・・・

ウィル : 「募集中」じゃなくて、「必要」なんだね。笑

ガイ : 僕たちはまず友達だということ。それが基本理念で、難しい時も乗り越えてきた。強い土台なんだ。それが僕たちのケミストリーの大きなパートになるかな。

ウィル : 最近よく話してるのは、音楽の面ではもうやりつくされていて、ユニークなことをするのは難しくなっているけど、僕たちがもっている唯一のユニークなことは僕たちだけが持っているケミストリーだということ。それを強みにして、守らなきゃいけない。僕たちがもっている一番重要なものだから。

クリス : 僕たちはみんな取り替え可能なんだよ。もっとうまくてテクニカルな人たちに。もっといいボーカル、もっといいベース・・・いや、ガイは違うかな。でも他のメンバーはさ。ガイだけはミュージシャンとしての本当の仕事を持てると思うよ。

ウィル : どんなバンドでもね。

ジョニー : 天国でジェームズ・ブラウンとでも。


四人はみんな本当に評価しあって尊敬し合ってるのは明らかだけど、

クリス : well..

曲が作られる時、なにが最初におこるのか、そしてどのように作られていくのか

ジョニー : クリスから始まる。曲の全部か一部から・・・

クリス : 僕の部分のね。曲の骨格だね。

ジョニー : そう、歌詞やメロディーは多くの場合一緒にできるから、コードもね。それをクリスが僕にもってきて、一緒に働きはじめて、ガイに聞かせて、ベースパートや他の部分を考えて、ウィルが続けるかどうか決める(笑)

クリス : 9/10は捨てられるけどね。

さっきウィルがケミストリーの話をしてたけど、ソングライティングっていうのは、はじめのコンセプトから最後の符号や最後のドラムビートまでのすべてのことだと感じてるんだ。

レコーディングとライティングは同じようなものなんだ。組み立てラインのようなもので、僕の頭の中から出て、組立ラインの最後になるまで、ライティングは終わらないんだよ。だって僕たちがすばらしいものを作っても、ウィルが変なドラムを入れたら(どぅべべくどぅべどぅん♪)、すべて台無しになっちゃうでしょ。

ウィル : よくやっちゃうけどね。

クリス : 夜中に始まることが多いかな、ピアノやギターで。ほとんどの夜やろうとしてるから、毎日思い浮かぶんだけど、いいのが来る日は10日中の1日ぐらいかな。だから一曲いいものを書くにはたくさんひどいものを書かないと。でもいいものがきたら、わかるかな。

(ETIAWについて)たしかハヴィエル・バルデムがオスカーにノミネートされたはずだけど、BIUTIFULって映画に流れてるのを聞いたんだ。彼が入っていくナイトクラブのバックで流れていて、だから映画の残り時間ずっと覚えてなきゃいけなかったんだ。誰が書いたのかリサーチをして、でももう曲ができかけてたから、コードを使わせてくれるよう頼んだんだ。


音楽を作る上で、構造とフィーリングどっちが大事か?

クリス : 僕の場合は100%フィーリングだね。だから僕たちが好きな人達は僕たちのことが好きなんだろうし、嫌いな人たちは嫌いなんだ。感情が先に来て、コンセプトや構造は二番目に来る。

ウィル : 僕たちの最も成功した曲は感情的なものから書いたもの。みんなに、眉をあげて、「ふ~む」とか言ってほしくないんだ。みんなが、「わお!いいね!」って言ってくれればいいんだ。

クリス : ブライアンの命令は、レコーディングを仕切りがない場所でしろってことだった。全部同じ部屋に置いて、みんながお互いに話せるように、リハーサルルームのような感じで。それがテクニックよりも音楽に集中する助けになった。もっと高いスタジオに入ると、もっと惨めになっちゃうんだ。一緒に弾く時間が短くなっちゃうから。

ジョニー : 演奏するより誰かの演奏を待ってる時間のほうが長くなっちゃうからね。

クリス : コンピューターで編集する時間とかね。

ジョニー : 全然面白くないし、興奮しないよ。だからいつも音楽を演奏できる場所がほしかったんだ。二階に何個か部屋があって、小さなスタジオもあるから、ウィルがドラムのパートを試してて、そこで何も出来ない時は、二階にあがって、他の曲をやったり、いつもやることがあるんだ。僕たちだけのユースクラブみたいなもんだよ。

クリス : ミドルエイジクラブだろ。現実見ろよ。もう34になるんだぞ。

ジョニー : そうだっけ?

クリス : 僕たちが一番年上だから。この二人は子供だけど。


アートワークやテーマについて

ガイ : Viva La Vidaで前のアルバムよりもっと視覚的にして、世界を作り上げるのを楽しんだ。着るものをデザインして、アートワークも全部統一してね。コスチュームを着て楽しんだよ。自分がキャラクターになったみたいで。正しい場所にいると感じた。

今回のアルバムでも同じ事をしなきゃと思って、だってすべてをパッケージにして、そんな素晴らしい経験をした後で、ジーンズとTシャツで出ていくのは変な感じだから。音楽、ビジュアル、服、すべてが決まったパッケージになっていて、違う世界に逃避させてくれるんだ。

クリス : 自信や信念を維持する方法なんだよ。
僕たちのアルバムはほとんど同じで、ネガティブで憎しみに満ちた世の中で、愛やポジティブなことを探すということ。それがそれぞれのアルバムで言いたかった基本的なことで、それを続けていくつもりなんだ。

それぞれのアルバムは僕たちの人生や、周りで見てきた人生の日記みたいなもので、視覚的になることで、いっそう僕たちが言いたいことについて確信がもてる。

すべてが一つにまとまっていたら、もっと自信がもてるんだ。ギャングのメンタリティーのような。

(ヴィジュアルについて)僕たちが行って、見たもの全てからきている。世界中のたくさんの都市で、空港からホテルに行くんだけど、いつもそこの間にはストリートアートやグラフィティがあって、誰がやったのかなぜやったのか調べようと思って。

だからグラフィティについて勉強し始めて、巨匠の作品をたくさん見た。

ウィル : 後ろのスタイリッシュな(笑)ポスターではガイがスプレー缶をもってるけど、ストリートアートとグラフィティが茶色やグレーの場所を明るくしていくというアイディアが気に入ったんだ。

色の爆発や、悲しく汚れた環境の中で表現すること、そんなアイディアに興奮して。退屈なものを美しいものにかえるっていうね。そういうことが僕たちが書いたり歌ったり演奏したりしたいことなんだ。難しい状況で美しさを見つけようとすること。

このアイディアを明るいネオンカラーで描いた。大胆で、すぐに、身近なものでできる。誰にでもできること、誰もが心の中に持っていること。

スタジオにベルリンの壁のレプリカのような9メートルのコンクリートウォールを作って、一週間かけて、ただスプレーペイントをしたり、ペイントバルーンを投げたり、書きなぐったりして過ごして、それがアートワークの基本になったんだ。

すごく楽しかったよ。Vivaの時は数週間スタジオで絵を描いたりペイントしたりしたんだ。ヴィジュアル面がより重要になっている。楽しくて、クラブハウスにいるみたいなんだ。音楽作って、ペインティングして、親友たちとね。

続きます。